セクシュアルマイノリティの水商売・性風俗従事者への心理的支援における専門的介入の必要性

あたしもだけど、周りの同年代や若い世代がそれぞれの生き方働き方で過ごしている中で、個々人として生き辛さを抱えてて、なんとか踏ん張ってギリギリ生きてる風景をここ数日でよく見かけるのよ。


多様な属性の人間が認知されてきている現代、「それぞれの生きやすさ」を追求でき、お互いに支えられるような環境になればいいな。


9/4 22時から9/5 5時まで新宿二丁目で酒を飲みながら、そこで起きた出来事を踏まえて、そう思ったのでした。(今回はそんなに飲んでないつもり←)

 

ーーーーー

今回のケースの発端は、とあるゲイバーで働く友達の店子から来たLINE。

 

「もじゃ!新人が『困ったちゃん』で他の店子とかママとかに迷惑かかってて僕自身も潰れそう。。。」

 

その店子によると、新人の「困り事」というのが、
今まで水商売をいくつか経験してきたもののなかなか経験を活かせなくてうまく行かず、現職場に入って十数日にもかかわらず無断欠勤が多く、人との会話のキャッチボールが成り立たず、仕事が遅く、タスクをこなせないこともある、ということだ。

 

ほほぅ、なるほど。

ということで、共通の友達である他店のママと一緒にそのゲイバーに行って、新人の様子を見ることに。

 

飲みながら話しながら、その新人ちゃんの様子を伺った。

具体的なやりとりは省略するとして、上記以外にも、

 

自分の思ったことを空気を読まずにそのまま言葉に出してしまったり、同じ内容の会話を何度もしたり、落ち着きがないのだろうか、無断でどこかへ行ってしまうといった様子も見られた。

 

その度に店子と友達のママは諭したり遠回しに注意をしたりしていたけど、あたしはとある事を悟った。

 

その新人は

・「性同一性障害」(MtF

・女性ホルモン投与による精神バランスの不安定さ

ADHD注意欠陥多動性障害

・AS(アスペルガー症候群

の可能性が高い、と。


(「性同一性障害」と女性ホルモン投与は本人談、ADHDとASは当人の言動から、5年間心理学を勉強したあたしの素人判断)

 

本人は発達障害の部分をおそらく自覚していないようで、これは周囲の人間はもちろんのこと、本人もとても苦労しているだろうと想像するんだわ。仕事中に本人はトイレで泣いていたり、母親にも泣きついたりしているとのことだから。

 

ーーーーー

発達障害のトピックではないが、この業界の従事者における不安定要素は他にもある。

 

例えば売り専、ゲイ風俗において。

指名が多く収入が多い若い時期は良いけど、売れなくなったり問題を起こしたりすると仕事を辞めざるを得ない状況が出てくる。そうなった時に、収入の多い時期と変わらない支出の生活を変えられず貯蓄がほぼ無くなってしまうケースもあるだろう。

 

それから、「ニューハーフ」として働いている人においては、ホルモン治療代やSRS(性別適合手術)代を稼ぐために働く人もいるけども、ホルモン治療によるホルモンバランスの崩れから精神の不安定さがあったり、仕事柄の多量飲酒、店での振る舞いとプライベートでの振る舞いとの大きな差などで困ることもあるだろう。

 

また、ゲイでよく聞くのは、ゲイがバレてしまった、もしくはカミングアウトした後で、家族と離縁状態になり地元では暮らせなくなり、住居含む身寄りのあてが無いまま都会に出て仕事をするケースもあるだろう。

 

ーーーーー

性風俗業界や水商売は、学歴や知識や経験がなくとも、基本的には見た目の良さやキャラクターなどを考慮した上で「やる気があれば雇ってくれる」世界。

でも実際は、言語非言語問わず高度なコミュニケーションによる顧客満足と、関連のある他店との関係性維持といったことをクリアして行く必要があって、かなりの能力が求められるのよね。ほんと尊敬する。


特にセクシュアルマイノリティにおいては、ここなら自分のセクシュアリティで、「ありのまま」の自分で働ける場所でもあり、同じ「仲間」と出会い、語らえる人と出会える場所でもあるわね。


ただ、各種精神発達系問題や、具体的な診断名はつかないものの何らかの生きづらさを抱えていると、それを解決に導く具体的な知識と知恵が乏しいことが多く、身寄りがないケースで見捨てられたりして社会的つながりが遮断されてしまうと、最悪の場合、孤独死も視野に入ってしまうこともあるわ。

 

学歴というか「勉強できて知識があること」ではなく、経験年数やコミュニケーション能力の高さや売り上げ実績がモノを言う経験主義の実力主義の厳しい世界、それが水商売と性風俗の世界の現状。

 

そうなると、何か問題が発生した場合に、自己経験に基づく行動しかできず、解決に導く専門知識や専門家にアクセスする方法がわからなかったり、そもそも専門知識や専門家にアクセスしようという発想が出なかったりするわ。

 

どうにかして「それぞれの生きやすさ」を追求できるような環境を作れないかどうか、とてもあたしゃ悩んでいるところだわ。

 

それには、この記事のタイトルにもある通り、

業界人に対する心理的支援における専門的介入が必要になるなと思うわけです。

 

たまたま今回は精神系発達系トピックが中心だけど、それ以外にも法制度的支援や経済的支援なども必要なケースが当然のことながらあるだろう。

 

それから、ママ・チーママ・先輩店子となると、一般企業でいえば社長・部長・先輩社員といった「管理職」に該当するだろう。

そうなると、従業員や後輩を育てるための管理職としてのスキル、すなわち、水商売や性風俗における管理職スキル研修教育も必要になってくるのではなかろうかと思うの。余裕もないし大変だけども。

 

そんな中であたしができることはなんだろうかと考えた時に、今まで飲みながらとかLINEしながらやってる事だけども、

ゆっくりまったり雑談しながら相談を受けたりすることかな。

 

言い方を変えれば、

三者的視点からの心理相談と心理学的スキルの技術提供

 

ですわ。それくらいしか今のあたしにはできぬ。(心理系資格持ってないからぶっちゃけあんまり大げさな事は出来ないけど。)

 

ーーーーー

あたし自身も様々な問題を抱えているけども、それでもお互いにコミュニケーションを取って、問題や生きづらさをゆるめていきながら、もっと良い働き方・生き方を模索出来たらいいな。

 

あたしも早くなんらかの仕事をして収入を得て、また独り立ちした生活を送れるようにしなきゃな。

 

無理せず、少しずつ。