ホゲと「女装」と、トランスジェンダー&女性蔑視 ー「痴女丈ナイト」をきっかけにー

 

2020/9/26に新宿二丁目でこんなゲイクラブイベントがあったらしい。 

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その名も「痴女丈ナイト」

 

「『痴女丈』ナイト」のネーミングと、「痴女装」「眼で楽しむ視姦」、、、、

 

これはあかんやろー!!

 

いくら二丁目のゲイの内輪でやるって言ったって、そのイベントに参加できない「脚が出てる女性」を男性側から痴女呼ばわりするのはダメー!!

 

女性が脚を見せるのは基本的にはファッションの一環であって、男性を惹くためじゃないわ!

 

シスジェンダーヘテロセクシュアル(ノンケ)の男性の集団よりも、シスジェンダーゲイの男性集団の方がめっちゃ女性を見下してる感が強くてたちが悪い。パワハラセクハラも良いところ。。。

 

シスヘテロ(ノンケ)の方が最近こういう事きちんと考えてやってるのに、恋愛対象セックス対象じゃないからと言って、セクマイ内でこういう「女性蔑視」「女性をバカにすること」をやっちゃいけないでしょー!!

 

文化盗用の度が過ぎる!!

 

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こんにちは、もじゃです。コロナ禍で皆さん元気で生きていますか?

 

今回は(いつも?)怒りのもじゃからスタートです。さすがにびっくらこきました。

 

ちなみにTwitterで「痴女丈」と検索したら、ほぼほぼゲイのアカウントしか出てきませんでした。

なんじゃこら???

 

さて、きっかけは「痴女丈」ですが、今回のテーマは

 

「ゲイコミュニティ・ゲイ文化と、トランスジェンダー&女性蔑視(ミソジニー)」です。

 

まぁ結局いつもの通りですわ。

ゲイの要素とトランスジェンダーXジェンダー/ノンバイナリ・たまに性自認が女性になる)の要素を持って新宿二丁目で「オカマ」として飲み歩いているあたしもじゃの、飲みながら・Twitterを見ながらのゲイコミュニティへの違和感をつづります。

 

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言いたいこと

結論を言えば、ゲイの世界って基本的に、シスヘテロ男性(ノンケ男性)の世界よりももっと「漢」な世界だなって(特に行動や内面性で)。シス男性以外への蔑視と差別が甚だしいな。だからこそ、自分とその集団の「らしさ」を他人に押し付けたり、他人の生き方をバカにして否定するんじゃないよ、ってこと。

 

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個人的な経験を話そうかな。

 

まずは「ホゲ」

 

改めて説明すると、「ホゲ」とは「男性」が「女性的」な言動をする事のゲイ用語ですね。別の言い方をすると、「典型的なゲイ」とされる「オネエ言葉」「おかま」言われるやつ。

 

あたしの場合は、トランスジェンダー要素があるから、あたし自身の男性性を低くするために「ホゲ」を「非男性性表現言語」として使ってます。ゲイ文化に染まるずっと前から。

 

ところが、「ホゲ」には苦い思い出があるのよ。

 

大学生の時、とあるセクシュアルマイノリティの当事者サークルに入ってて、サークルの旅行(関東近県)の時

 

もじゃ「(腕にカバンを下げながら)ちょっとコンビニに行ってくるわね。」

サークル員「もじゃ、宿の外でその言葉遣いと仕草してると他のサークル員のアウティングに繋がるから止めてね。」

 

そう、簡単に言うと、あたしのアイデンティティを抑圧されたのよ。

 

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それから「女装」

 

過去の「TRPで受けてしまった云々」の記事にも記載している例があるけどもうひとつ。

そのサークルで新歓担当をしてて新歓飲み会が開催される直前こんなことを言われた。

 

サークル員「もじゃ、当日は『変な格好』は絶対にしないでね。」

 

当時はセクシュアリティの混迷期だったので、服装も男性装・女性装、時にはしっかりと顔面を化粧したりしたこともあった。

この人が言いたかったのは、新歓で初めてセクマイの人に会う人もいるから怖がらせないように「女装」はしないでほしい、ってことだったのかなと思う。

 

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で、性自認aiko』」問題

 

これは去年くらいにTwitterで炎上した案件。

 

性自認は「『性』別の『自』己『認』識」が定義。

主にGIDGD性同一性障害・性別不合)の診断の際に重要な要素として取り扱われる概念なのね。(ちなみに、トランスジェンダーでは、性自認よりも「実際の生活でどういう性別で生きているか」が重要な要素になってくる。)

 

それを、とあるシスゲイ(発言元は一般ゲイ、その後「LGBT研修」などを行うゲイが拡散)が

 

「(自分は男でゲイだけど)あたしはaikoにめっちゃ共感するし、同じようなメンタリティだから、あたしの『性自認aiko』だ。」という主旨の発言した事が非シスジェンダー当事者で大炎上。

 

もちろんあたしもこれは批判した。

 

言いたいことはわからないでもない。きっと「自分はもはやaiko」と思ったんだろう。

 

でもそれはパーソナリティの1つに過ぎず、ましてや「性別」の自己認識ではないの。

 

「丸の内OL」とかいう表現もそうね。

企業世界では「ビジネスマン」「OL」から「ビジネスパーソン」に変わったけど、ゲイ文化では「リーマン」(フェチ的に)「OL」(パーソナリティ表現)がまだ多いわね。

 

つまり、完全なる『文化盗用』なのよ。

 

「文化盗用」と言えば、ハッシュタグ"#blacklivesmatter"、これもアンチとして"#whitelivesmatter"などが出てきたが、”blacklivesmatter”の方から「このハッシュタグの文化盗用は絶対にやめてください。」とアナウンスが出ているのよ。

 

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何にせよ、ゲイが中心のコミュニティでは、Xジェンダーであるあたしは、とはいえ本来なら「ありのまま」でいられるはずの所で、「シスジェンダー男性」の振る舞いを要求される事が多々あるし、トランスジェンダーやシス女性の「言葉」を「遊ぶ」事がよく見られるの。

 

とても辛いことよ。

だって、自分のアイデンティティを否定されてるんだもの。

 

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あたし個人の経験から離れて、

コミュニティ内での「ホゲ」「女装」を話そう。

 

「ホゲ」が使われるシーンは主に2つ。

◯シスヘテロ(ノンケ)に対してステレオタイプな「オカマ」を演じるため

◯「ゲイの友人同士でくだけたシーンで仲間内でお喋りする」時

 

ここでは後者について話すね。

 

ゲイの友人同士でくだけたシーンで「ホゲ」はよく見かけるんだけど、俗にいう「キレイ売り」、つまり、主にSNS上で出会った人(特にイケメン)と初めて会う(特にセックスや恋愛に進みそうな予感がする)時に、「ホゲ」を隠して男ぶる事が多々あるの。相手だってホゲてるかも知れないのに定型文的に。

 

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それから女装。

 

ゲイシーンで女装するのは主に2

◯ショーイベントやクラブでのゲイナイト、ゲイバーのパーティなどで「プロ」が「女性」に扮する「ドラァグクイーン

◯ハロウィンなどの季節性イベントの時に、ゲイバーや売り専などのゲイ職業に就いた事がない「素人ゲイ」が楽しみで女装するパターン

 

遅くとも1969年の「ストーンウォールの反乱」の時期にはゲイシーンで「ドラァグクイーン」は存在してたのね。シスゲイ当事者もトランスジェンダー当事者もいて、ひっくるめて「ドラァグクイーン

その後、白人ゲイによる「女装&トランス女性排除」の権利運動もあったりして現在に至るわけなんだけど、

 

現在あたしが肌で感じるのが

 

「女性的・中性的なゲイ&トランスジェンダー」を排除する「男らしいゲイ」が存在する事。その排除性の一方で、コメディとしての「ドラァグクイーン」は称賛されるし、「夜」に「女装」をする人もそれなりにいるという事。

 

これは一体どういうことなんやろ?

 

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ここでゲイバイ男性向け出会い系SNSを見てみようかな。

 

あたしゃ複数の出会い系アプリに登録しているんだけど、いろんな人の自己紹介を見ると思う事があるのよ。

 

「ホゲる人NG」「自分はホゲてません」「オカマNG

「女々しい人NG」「店子や売り専ボーイNG

「普段はノンケ生活です」「秘密厳守で」「妻子あり」

「ゲイの世界に慣れていません」「純日本人です」

「常識のある普通の人が良い」

 

とか。

 

掲示板風にまとめると

 

 

「家で全裸待機してます。秘密厳守で面倒抜きでサクッとヤリたいす!

普段はノンケ生活で染まってなくて、顔悪く言われません。

ホゲてる人、売り専ボーイ店子、女々しい人は生理的に無理です!」

 

 

 

みたいな?

 

要するに、「純朴」な「男」を演出する「キレイ売り」(=性的指向的にゲイバイ男性に「より魅力的に見える」演技)のために、女性性や女性ジェンダーとか、「普通でない様子」を隠し、他人の属性や特徴、さらには職業を排除差別する様子が見えるのよ。

 

確かに「ゲイ」の定義は「男性同性愛者」。多くの場合は性行為的な意味で、男性への性的指向をさすけども、それを表明するのに女性性のある人物(=「男らしくない『男性』」とか)や「プロ」の排除を行わなくてもいいのでは?と思うわけですわ。

 

当然そこには、そのアプリに登録しているであろう「トランスゲイ」への偏見も多く見られるわけで。

 

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偏見すぎる発言にはなってしまうけど、

 

現実の世界(特に「昼職の勤務先」とか)でセクシュアルマイノリティであることを隠して、SNS上など「裏の自分」「エロ裏アカウント」でセクシュアルマイノリティとして楽しもうとする人は、エロのこと(ベッドの上でのこと)しか考えない状態になってるのね。

 

「昼の世界」では、この社会の階層トップである「シスジェンダーヘテロセクシュアル男性(ノンケ男)」として生き、その世界の慣習を内面化し、「裏の世界」では男らしい男としか出会う事がない故に、「ノンケ男よりも強い『漢』」になってしまってる恐れがあるのよ。

 

その価値観がベースにあると、トランスジェンダー、特にトランス女性やXジェンダー・ノンバイナリ(などのいわゆる「男・女」以外の性別)の人間に対しての差別に加担してしまう事が、結構Twitterで多く見られるのよね。

 

まぁ、だからこそ実は、「男らしく・ノンケっぽく生きなきゃいけない」っていう自分の中の束縛ー「男らしさの『呪い』」で苦しむケースも多々あるんだけどね。だからこその憂さ晴らしはあるのかも知れないわ。もちろん、憂さ晴らしが偏見差別誹謗中傷になってしまったらダメだけど。

 

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ジェンダーセクシュアリティの「脱ぎ着」が可能か不可能か

 

もしかしたらこういう価値観は、普段どういう「性」の立場・環境にいるか、もっと言うと、いわゆる「昼間の生活」と「夜の世界」で「セクシュアリティジェンダーを『脱ぎ着』している」かどうか、昼の社会にいてバレないような「埋没」の生活かどうかで変わってくる可能性がある。

 

あたしはいろんなセクシュアリティを持ってるけど、他人から見れば「わかりやすい典型的な『オカマ』」をやっている(というかやらざるを得ないというか)。昼でも「夜」でも。

 

本当は、そんな中途半端じゃなくて、昼も夜も全人生かけて「オカマ」やりなさいよ、と言いたいところ。

 

そんな、セクシュアリティ の「脱ぎ着」をするかどうかで、感情や思考、言動も変わってくるのよね。Twitterとか某アプリの自己紹介とかハウリングでずいぶん見てきてる。

 

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「非・男/女らしさ」があってもいいじゃない。

「男らしさ」「女らしさ」があるのなら、本人がその「らしさ」を持つのは問題ないけど、他人に「らしさ」を押し付けたり、そうじゃない「らしさ」を持つ人をバカにして否定する筋合いは無いわ

 

もしこの記事の内容が押し付けがましく聞こえるなら、それは普段から「性別らしさ」を押し付けているからこその「反動」としての嫌悪感かも知れないわね。

 

たまにTwitterで「ゲイあるある」「レズビアンあるある」「ボーイッシュの定義」とかっていう(そこそこバズる)ツイートあるけど、あれも気をつけないと、「らしさ」の押し付けになりかねないから、作る側は十分に注意しないといけないんだけどね。

 

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ここまで言うと、

「ゲイ差別・男性差別してんじゃねぇ」とか

「金輪際二丁目に飲みに来るな」とか

 

言われそうですが、セクシュアルマイノリティの最大マジョリティであるシスジェンダーのゲイが、それ以外の性別やセクシュアルマイノリティに行ってる偏見差別誹謗中傷を内部批判して悪い事を変えていくべきだし、あたしの立場から、「アンチ男性性」「悪く行き過ぎた男性性への批判」として声をあげなきゃならないの。苦しいけども。

 

外見も内面も中性的なゲイが好きだけど、男臭いマッチョなゲイコミュニティやゲイ文化は好きじゃない。でも、あの街でいろいろ助けてもらった記憶も多くあるし、今つながりがあるのは二丁目だから、これからも変わらずに電車に乗ってどっこらせっせと通うわ。

 

東京郊外に住んでるあたし、地元では出会いも友達もほぼ皆無だからこそ、二丁目に行って友達と会って喋ってお酒飲んで、その中でさらに仲の良い親友を作って。。。

 

あの街はあたしの数少ない「居場所」なんです。だからこそ、もっと良い環境にしたいのよ。それだけ。

 

仕事頑張ってお金稼いで、ゲイバーに売り専、通いつめようあたしゃ。

最近流行の「セクシュアリティ診断・分析」サービスをレビューしてみた

もじゃです。ブログはご無沙汰しております。

 

先週くらいかな、Twitterで2つのセクシュアリティ診断・分析」サービスセクシュアルマイノリティ界隈で話題となりました。

 

1つは、主にLGBTQ+の就活転職を応援しているwebサイト「JobRainbow」さん。

 

もう1つは、セクシュアリティ分析を専門にやっている(?)「anone,」さん。

 

やってみて、「お!自分のセクシュアリティ がちゃんと表示された!!」とか「おや?全然違うセクシュアリティ がでてきたぞ?」とか、いろんな感想がTwitterで投稿されています。

 

今回はそれら2つの「セクシュアリティ診断・分析」のレビューとともに、問題点と改善点を出すことによって、もっとLGBTQ+とwebの掛け合わせを促進させてもらったらいいなぁと思って、本記事を書くことにします。

 

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そもそも前提のツッコミとして...

 

セクシュアリティ の「診断」「分析」は、あまりよろしくない、ということを言っておきます。  

セクシュアリティ には「自己決定権」、当てはめるかどうかも含めて、全ては自分で決めること、というのが大前提です。  

ところが、このような診断分析だと「他者によるセクシュアリティ の押し付け」になりかねない恐れがあります。  

 

あくまでも提案・可能性、「こうかもよ」「こんなのあるよ」程度でおさえるべきです。

 

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【診断の背景】

 

各サイトの「目的」を以下に引用します。  

 

☆JobRainbow☆ 

「自身が”LGBTに当てはまらない”と思っている人にも、固有のセクシュアリティがあるんだと実感してもらうこと。 また”自分はLGBT”と思っている人にも、新たな発見をしてもらう。そして”自分はLGBTなのかも?”という人には、より自分らしさを知るきっかけになってほしいと願っています。」

「複雑なセクシュアリティ用語の理解」

 

☆anone,☆

「あなたが普段感じている、性に関する疑問や不安が解消されるきっかけになるだけでなく、これまで性に触れてこなかった人でも、潜在的に気づけなかった自分を見つけることができます。」

 

以上からも分かる通り、まとめると以下のような目的があるといえます。  

 

・多様で複雑なセクシュアリティ用語の認知  

・「非セクシュアルマイノリティ」のセクシュアリティ意識化の助け

→「シスジェンダーヘテロセクシュアル」を中心としたマジョリティのセクシュアリティ認識と表明

セクシュアルマイノリティ当事者のクエスチョニング的「もやもや」の解決

 

要は自己と他者の理解への「きっかけ」にすぎないので、それ以上の利用はやめたほうがいい(と、各サイトでも推奨され、記載されています。)

 

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【質問項目】

 

各診断・分析の質問項目は以下の通りです。

(無許可転載申し訳ありません。。。) 

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JobRainbow「セクシュアリティ 診断」

 

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anone, 「セクシュアリティ 分析」

 

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【良いところ悪いところ】

 実際に私が使用して感じたメリット・デメリットは

 

☆JobRainbow☆

◯メリット

・設問数が少なくて取り組みやすい

・設問が明確。何のセクシュアリティを尋ねているのかがわかる

・不要な質問項目は省略されるようになっている

アルゴリズムのデザインがしっかりしている

 

◯デメリット

・過去にLGBTQの他に関する性的「しこう」の紹介記事を出していたが、それは反映されていない

・おそらくAセクはでてこない仕様?

 

 

☆anone,☆ 

◯メリット

・質問項目が多い分、より「正確」な判定がでやすい

・当事者でも認知度が低いセクシュアリティも含まれていて、多様性に富んでいる

 

◯デメリット

・「表現する性」項目の結果が意図しない結果になりがち(後述)

・「男女関係ない」はバイを聞いてるのかパンを聞いてるのか不明瞭

・設問中の「同性」は身体性・戸籍性・社会的性など、どの性別要素をベースにしたら良いのかわからない

・おそらくAセクはでてこない仕様?

・「〜の経験がある」項目。経験はないけど欲望はある時はどう選択したらいい?

 

です。実際にやってみた人の中で、いろいろ感じることがある人もいるかと思います。

 

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【各設問の問題点・改善点】

 では本題です。

ゲイの要素とトランスジェンダーの要素とその他のセクシュアリティの要素があるわたし、もじゃが個人的に気になった設問を取り上げて、問題点と改善点をツッコミたいと思います。

 

各設問に対するツッコミを簡単に表でまとめてみました。

表中の「因子」は「設問によって聞きたいであろう性質」、「クラスタ」は「因子の性質から得られうる具体的なセクシュアリティ用語 」を示しています。

 

全ての項目に対して文章でツッコむのは大変なので、個人的に特に重要だと思った項目のみ文章でいろいろと書きます。

 

なお、もちろんわたしも全てのセクシュアリティを熟知しているわけではありません。本投稿では「セクシャリティAtoZ:あとりえ 85-n.http://www.85-n.net/blog/sexuality-atoz/ を参考にしています。

 

☆JobRainbow☆

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「1,あなたの身体的な(生まれながらの)性別は?」

出生時の性別を尋ねている設問だと思います。「身体的」な性別の場合、性分化疾患当事者が回答できない場合があるのと、現在の身体性と出生時に割り当てられた性別が違う人がいる時に回答しづらいかなと思います。

→ 「身体性」を尋ねる場合は遺伝子レベルの「XY」「XX」をきいたほうが適切だと思うので、選択肢「その他」を増設。

また、戸籍性別変更者もいるので、別設問で「現在の戸籍の性別は?」を増設するのもいいかも。当然ながら、「出生時に割り当てられた性別は?」も加えた方がいい。

 

「2,あなたは自分をどう認識している?」

いわゆる性自認の項目です。「トランスジェンダー」と「性別不合(「性同一性障害」)」では大きく変わってきます。要は、「身体の性別に対する違和感」があるかどうか。この2者では立場が大きく変わってきます。(病理モデルと社会モデルとの違い)

→別設問にて「身体の性別と自己認識している性別との間に違和感があるか?」を増設する。また、「(性自認とは別で)社会的にどのような性別で生きているか?」の設問もあった方が良いかと思います。

 

☆anone,☆

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「1,男性・女性両方の人を独り占めしたいと思ったことがある。」

この設問は2つの要素が含まれています。

「男性女性両方」で「バイセクシュアルかどうか」、「独り占めにしたい」で「交際関係性における『モノアモリー(交際関係においては1対1の関係性を指向する)』かどうか」。どっちの要素で回答すればいいかわからないので、1要素につき1設問が良いでしょう。

「男性女性両方に(or性別関係なく)恋愛性愛指向がある。」「交際関係においては1対1の関係性を重視する。」「恋人は1人を独占していたい。」などの設問に分割する。

 

「9,自分は他の人から見て魅力的にうつっていないと思うほうだ。」

おそらくルックスを重視しているか内面性を重視しているか、少し飛躍すると、「絆」が重要な「デミセクシュアル・デミロマンティック」の項目にも見えなくはないですが、他者からの魅力で規定されるセクシュアリティ 用語がどうやら存在しないっぽいです。

→「セクシュアリティ」分析なら不要。ただ、恋愛で重要視する事柄や回答者の性格特性・自尊心強弱を聞く意図があれば問題無い

 

「13,同性の大勢のグループが苦手だと感じることがよくある。」

ホモソーシャル、学生の体育会系部活などでの、特に「男同士の熱い絆」みたいなやつに多く見られる性質で、異性愛者排除性のある同性同士の同質性集団社会のことを言いますが、おそらくこの設問はホモソーシャル嫌悪性を測定しているのかと思います。

ところが、「同性」である他者の性的指向性によって苦手かどうか変わってくると思います。例えば、ゲイ同士なら安心するけどノンケ男子集団は苦手、とか。

もしくは、「集団の方が楽しいか1人or少人数でいた方が楽しい」といった性格特性を問うてる可能性も否定できないですね。

ホモソーシャル嫌悪性を問うのであれば「男同士の熱い絆のようなものに自分を溶け込ませるのは苦痛だ」などはいかがでしょうか。

 

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「17,自分が最も好んで着る服装を選んでください。(服の画像から選択)」

「36,男性/女性用に限らずいいと思ったものはなんでも取り入れる方だ。」

これは「表現性」の中でも、ユニセックスジェンダーフリー指向性を問う設問。Twitterでも問題視されていましたが、シスジェンダーのゲイ男性が「表現する性」の結果で「Xジェンダー」と表示されてしまう事象があり、困っていたツイートがありました。

 

つまりこの設問はジェンダーアイデンティティ(「性自認」)」と「ジェンダーエクスプレッション(表現性)」との混同を起こしているものです。

例えば、性自認男性の身体戸籍性男性の異性愛者(シスヘテロ男性)でも、若年層、特に原宿界隈では「メイク男子」「スカート男子」のようなことがよくあります。それを「Xジェンダー」と言えるのでしょうか?言えないでしょう。

 

要は、以下の因果関係が成立するかどうかの話です。

Xジェンダー「だから」ジェンダーフリー指向性がある

ジェンダーフリー指向性がある「から」Xジェンダーである

 

→この設問を残すのであれば「ジェンダーフリー指向性」を問うものにして、結果画面の「表現する性」ではジェンダーフリー指向性の有無」のみを表示すべきで、「性自認」系のセクシュアリティを表示すべきではありません。

 

「23,友人と恋人との区別をつけなくてもいいと思える。」

この区別をするしないで規定されるセクシュアリティ用語がなかったので、よくわかりませんでした。

ただ、いわゆる「セクシュアリティ」には現時点ではなっていないものの、セクシュアリティ問わずこの話題はよく出ます。「友人と親友と恋人とパートナーの違いって?」みたいな。

推測ですが、友人関係と交際関係とを明確にすることである種の独占欲、モノアモリーかオープンリレーションシップかを問うているのかもしれません。

ちなみにわたしは友人だろうが恋人だろうが、大切な人は大切です。この人生で恋人できたことがありません。告白されたこともありません。それはそれで悲しみ。

 

「28,『好みの同性のタイプは?』と聞かれたら思い浮かべることができる。」

同性に対する恋愛性愛指向性、異性愛者か同性愛者かを判断する設問。問題は「同性」の定義です。言いたいことはわかるけども、、、

ここでの「同性」がどの要素をベースにしているかわからないんですね。

身体性ベースなのか戸籍性ベースなのか性自認ベースなのか社会的に生きている性別ベースなのかその他、、、

基本的に「タイプ」っていうとゲイ用語で「イケる」、要は性愛対象の話だとは思います。もしかしたら、男性異性愛者の人が「この男性歌手かっこいいー」というのを反映する可能性もありますね。

 

「31,男の子っぽく/女の子っぽく見られたくない。」

主に外見における中性性を問う設問。

問題は「男・女の『子』」。

基本的に「セクシュアリティ」は性別要素だけを取り扱う概念。「子」があると、年齢要素も入ってくるかと思います。もし年齢要素も問うのであれば、ペドフィリア指向や「ロリコン」「ショタコン」も設問に入れなければなりませんね(大議論になりますが)。

「男っぽく・女っぽく見られたくない」が適切。

 

「32,同性の友人の体がつい気になってしまったことがある。」

これは同性の身体接触性に関する設問で異性愛者かそうでないかを問うてる設問。

問題は、回答者が思春期の年齢層の場合、異性愛者同性愛者問わず、第二次性徴で他人の外性器の形状と自分のとが同様かどうか不安になることが多くあります。この設問の場合、そのような不安定さが性的指向へと反映されてしまうことがあります。

「同性の友人の体が性的にきになってしまう」がいいかな。

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「34,交際相手とはおだやかな関係性を重視している。」

関係性の「おだやかさ」が規定するセクシュアリティ用語が現時点では存在しない模様です。

ただ、これもよく酒の肴として話題に出ます。「交際したらずっとアツアツな関係性がいい」とか。詳しくは、後述の「愛のトライアングル理論」「ラブスタイル類型論」を参考にしてもらえれば。

→いわゆる「セクシュアリティ 」とは別の項目として問うのは面白そう。

 

「40,交際相手の外見がよければ内面は気にしない。」

「44,外見ではなく、相手の人間性に強く魅了される」

「51,これまで強く惹かれた人はルックスに共通点がある。」

外見的・内面的魅力重視で規定されるセクシュアリティは「デミセクシュアル・デミロマンティック」系が近いと思われますが、微妙です。

 

「43,人生のパートナーがいることを重要だと感じない。」

リレーションシップ指向性のノナモリー、交際・恋愛関係を求めないかどうかを問うてる設問。

ただ、恋愛関係とパートナーの必要性は必ずしも結びつかないケースがあります(友情結婚とか)。

 

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「47,『筋肉質な人』『胸の大きな人』などの特徴がある人に強く惹かれる。」

対義は「中性的外見指向」。

この問題は性的「指向」なのか「嗜好(フェチ)」なのか

例えばゲイでも、筋肉質な人が好きな人もいれば、正反対の中性的な細い前髪系が好きな人もいるでしょう。

要は、外見的な「性別らしさ」に対する好意は「性的指向」なのか「性的嗜好(フェチ)」なのかは議論中で、「セクシュアリティ 」として分析するのは一旦保留した方がよい設問です。

 

「48,交際相手であったとしても、必要以上に相手のことを知ろうとは思わない。」

何のセクシュアリティを問おうとしているのかよくわからない設問。心理学における「SVR理論」や「ラブスタイル類型論」(後述)においては、恋愛関係は魅力があって相手との価値観が合ってからこその「交際関係」だとは思うけど、この設問の関係では「交際関係」と言えるかはなんとも言えないでしょう。

 

「49,対人関係において嫉妬や不安を感じることはほとんどない。」

おそらくリレーションシップ指向性で「オープンリレーションシップを求めているか」の設問。

→「対人関係」よりは「恋愛関係」「交際関係」にした方が適切。

 

「50,『人類愛』という言葉は自分を表すのにぴったりだと思う。」

もしオープンリレーションシップ、つまり交際関係におけるものを問うなら「人類愛」は不適切。

基本的に「セクシュアリティ」では性愛と恋愛のトピックが中心。「人類愛」「博愛主義」は現行では「セクシュアリティ 」の範疇では無いので、聞くのであれば、友愛博愛性愛恋愛その他「愛」を明確にした方が正確な結果が出るかと思います。この「多様な『愛』」は心理学では「愛のトライアングル理論」や「ラブスタイル類型論」で説明されているので、1つの参考として後述することにします。

 

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「58,交際期間が長くなればなるほど、セックスの必要性が感じられなくなる。」

長期交際期間における「倦怠期セックスレス」含むそれが何らかのセクシュアリティ用語に該当するかは不明。

交際期間における「愛」の在り方と変化に関しては「SVR理論」と「愛のトライアングル理論」で後述しようかと。

 

「60,生まれたときのからだ」

これはJobRainbowの診断の第1問と同様に、身体性と戸籍性と社会的性別うんぬんの話。

 

「63,これまで最も経験した恋愛の対象」

わたしみたいに非リアで全く恋愛経験がない場合で「わからない」を選択すると、クエスチョニングやAロマンティックと誤判断される恐れがある。

「最も経験した/これから経験したい恋愛の対象」に変更。

 

「65,他の人よりも恋愛経験が少ないと思う。」

「66,他の人よりもセックスの経験が少ないと思う。」

これは、経験の多さ少なさと、狭義の「セクシュアリティ 」に関連が見出せず、どんな内容を測定したいのかがよくわからないです。もしかしたら、性的指向的経験による自尊心を問うてるのかもしれない。

→仮に性的指向的経験による自尊心をきくのであれば、ローゼンバーグ自尊感情尺度の日本語版(星野, 1970)などの自尊心を尋ねる質問項目を追加して、セクシュアリティと心理状態との関連の分析を行うと面白いと思う。

 

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【交際関係と愛の心理学理論】

せっかくなので、設問へのツッコミででてきた「SVR理論」と「愛のトライアングル理論」、追加で「ラブスタイル類型論」、要は交際関係の進展の理論と「愛の種類」に関する(ちょっと古い)理論を説明します。

 

SVR理論(Murstein, B.I. 1977)

The stimulus-value-role(SVR) theory of dyadic relationships. 
In S.Duck(Ed), Theory and practice in interpersoal attraction.
 
パートナーシップの考え方で、出会いから恋愛、結婚(同棲)へ向かうプロセスを3段階に分け、各時期に必要な要素を示唆している理論。
 
・第1ステージ「刺激段階(Stimulus)

出会いから恋愛初期の時期。相手の外見的魅力や性格、言動、社会的評価などから刺激を受けて好意を抱く。

「かっこいい・かわいい!しゅきしゅき!」な段階ですね。

 

・第2ステージ「価値段階(Value)

恋愛関係に進んだ時期で、相手との価値観を見定める時期。特に相手との価値観の共感共有、類似性が重要で、価値観が似ているなら「おだやか」に過ごせるかと。

「わかる。うちら気が合うよね。」な段階。

 

・第3ステージ「役割段階(Role)

結婚や同棲を始める時期で、自分とは違う相手の価値観も受け入れられる段階。仕事や家事分担など、交際関係上お互いの役割分担や苦手な部分を補う相補性が重要。

「合わないところもあるけどやっぱり好き。お互いに支え合って生きていこうね!」な段階。

 

◯愛のトライアングル理論(R.J.Sternberg(1986)) 

 A Trangle Theory of Love,  Psychological Review

 

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タンバーグによると、人間の恋愛経験は以下の3つの要素から構成されているとした。

「情熱」(passion・図の「愛情」)

感情的要因・性的欲求を含む

「親密さ」(intimacy)

認知的要因・リレーションシップの近さ

「コミットメント」(commitment・図の「献身」)

意志的要因・離れられない関係性

 

これら3要素の強弱によって「愛」のタイプの傾向がわかるという。

 

・完璧愛:情熱・親密さ・コミットメント全てが強い

・好意・愛好:親密さ強く、他は弱い

・夢中・心酔:情熱強く、他は弱い

・虚無愛:コミットメント強く、他は弱い

・情熱・ロマンティック愛:親密さと情熱が強い

・友愛:親密さとコミットメントが強い

・愚愛・一方通行の愛:情熱とコミットメントが強いが親密さは弱い

・非愛:全ての項目が弱い

 

◯「ラブスタイル類型論」(Lee(1973)) 

the colors of love

愛には以下の6種あることを提示した。

 

「ルダス」(Ludus)

「遊びの恋愛(game-playing, uncomitted)」

恋愛を駆け引きのように楽しみ、相手を次々に取り替えて行こうとするので、深く関わらず、複数の相手とも付き合える。そのために、自分の情報を開示しないことがあったり、嫉妬や独占欲を示すことがなかったりする。

 

プラグマ(Pragma)

「実用的な恋愛(practical, calculating)」

恋愛を自分の目的達成の手段と考えている。例えば高い社会的地位につきたい目的で恋愛相手を選んだりする。

 

ストルゲ(Storge)

「友情の恋愛(friendship)」

友情や仲間意識に近い感覚の愛。友人関係からの進展が典型的で、相手に対して情熱な愛情や独占欲、嫉妬はあまり感じない。

 

アガペー(Agape)

「愛他的な恋愛(altristic, giving)」

見返りを求めない献身的な愛。相手の利益を第一に考え、自己犠牲を厭わない。

 

エロス(Eros)

「情熱的・エロティックな愛(passionate, erotic)」

中心核は身体的魅力、強い情動、容姿の好み、関係の結びつき。恋愛の本質をロマンスと考え、恋愛を至上のものと考えている。

 

マニア(Mania)

「偏執狂的な愛(obsessional)」

情熱的で相手に強迫的にのめり込む。それが故に独占欲が強く嫉妬深い。また、快楽と苦痛が交互に現れることがある。

 

ーーーーーー

【全体的な考察】

このような診断・分析をするには必ず「目的」を設定する必要があります。

JobRainbowさんにおいては、「本業」は主にLGBTQ+に向けた就活転職支援サービスなので、そのサービスを利用するところにつなげるという目的があるかと思います。

anone,さんは「多様性を死語にするために。」「無意識の偏見と差別...」というビジョンを掲げてこのサービスをローンチしているとのことです。

 

要は、セクシュアリティを診断分析してセクシュアリティを知ったうえで何を提示していくのか、というところが重要なのかなとは思います。

 

「LGBTQ+」「SOGI」は、基本的には「性的指向」と「ジェンダーアイデンティティ 」、つまり「性別」と「どの性別に向く/向かない」の話題だとは思いますが、例えばリスロマンティックやサピオセクシュアルのように、性別以外の要素に対する指向性も「セクシュアリティ 」として定義されるようになってきました。そのあたりの、「何を『セクシュアリティ 』とするか」という議論も深まっていけば良いのかなとは思います。

(ただし、少し前にTwitterで「自分の性自認は(歌手の)aikoだ」という言説がゲイvsトランスジェンダー・「性同一性障害」との間で問題となりました。これに対しては、「性自認」は「性別の自己認識・性別に関わる自己の、ある種の『社会的正当化』」のためだけに使用されるべきで、「自分のアイデンティティaiko」 ではなく「性自認aiko」という言い方は、非シスジェンダーの社会的生存権利を無下にしかねないので、使用は慎重にすべきと考えています。これに関してはわたしはもう議論する気はありませんので、わたしだけじゃなく、他の非シスジェンダー当事者にも尋ねてみてください。わたしは議論(のネタ)のためにセクシュアルマイノリティとして生きているのではありません。生存するのに必死でそこまでのリソースはあまりありません。「じゃあなんでこんなブログ書いてるの?」って聞かないでー!

 

統計学的な話をすると...

JobRainbowさんは「このセクシュアリティにはこの質問がいいね」、anone,さんは「複数の質問により要素をまとめて、その要素の多さ少なさでセクシュアリティを分析する」ように見えるんです。

つまり、JobRainbowさんはクラスタ分析的、anone,さんは因子分析的であると感じます。

 

わたしは大学は心理学専攻だったのでこんな話になりますが、両者ともに設問をブラッシュアップさせてきちんと統計的処理をすると、とても面白い結果がでそうですし、

その結果から、(広義の)セクシュアリティと社会の現状とを照らし合わせた具体的な課題と対策が見えてくるのではないか、そんなふうに思います。

 

「LGBTQ+」「セクシュアルマイノリティ」のwebサイト・サービスがここ2年くらいでかなり増えていますし、同性パートナーシップ条例施行など、様々なトピックが「一般社会」にも出始めています。

 

マジョリティへの人権啓発とともに、セクシュアルマイノリティ内部間の意見の相違や争いもまとめつつ、セクシュアリティにまつわる世界がもっと良くなっていけば幸いだと思いつつ、この記事の締めにしたいと思います。

 

何とか這いつくばって、これからも生きていこうかと思います。おしまい。

セクシュアルマイノリティの水商売・性風俗従事者への心理的支援における専門的介入の必要性

あたしもだけど、周りの同年代や若い世代がそれぞれの生き方働き方で過ごしている中で、個々人として生き辛さを抱えてて、なんとか踏ん張ってギリギリ生きてる風景をここ数日でよく見かけるのよ。


多様な属性の人間が認知されてきている現代、「それぞれの生きやすさ」を追求でき、お互いに支えられるような環境になればいいな。


9/4 22時から9/5 5時まで新宿二丁目で酒を飲みながら、そこで起きた出来事を踏まえて、そう思ったのでした。(今回はそんなに飲んでないつもり←)

 

ーーーーー

今回のケースの発端は、とあるゲイバーで働く友達の店子から来たLINE。

 

「もじゃ!新人が『困ったちゃん』で他の店子とかママとかに迷惑かかってて僕自身も潰れそう。。。」

 

その店子によると、新人の「困り事」というのが、
今まで水商売をいくつか経験してきたもののなかなか経験を活かせなくてうまく行かず、現職場に入って十数日にもかかわらず無断欠勤が多く、人との会話のキャッチボールが成り立たず、仕事が遅く、タスクをこなせないこともある、ということだ。

 

ほほぅ、なるほど。

ということで、共通の友達である他店のママと一緒にそのゲイバーに行って、新人の様子を見ることに。

 

飲みながら話しながら、その新人ちゃんの様子を伺った。

具体的なやりとりは省略するとして、上記以外にも、

 

自分の思ったことを空気を読まずにそのまま言葉に出してしまったり、同じ内容の会話を何度もしたり、落ち着きがないのだろうか、無断でどこかへ行ってしまうといった様子も見られた。

 

その度に店子と友達のママは諭したり遠回しに注意をしたりしていたけど、あたしはとある事を悟った。

 

その新人は

・「性同一性障害」(MtF

・女性ホルモン投与による精神バランスの不安定さ

ADHD注意欠陥多動性障害

・AS(アスペルガー症候群

の可能性が高い、と。


(「性同一性障害」と女性ホルモン投与は本人談、ADHDとASは当人の言動から、5年間心理学を勉強したあたしの素人判断)

 

本人は発達障害の部分をおそらく自覚していないようで、これは周囲の人間はもちろんのこと、本人もとても苦労しているだろうと想像するんだわ。仕事中に本人はトイレで泣いていたり、母親にも泣きついたりしているとのことだから。

 

ーーーーー

発達障害のトピックではないが、この業界の従事者における不安定要素は他にもある。

 

例えば売り専、ゲイ風俗において。

指名が多く収入が多い若い時期は良いけど、売れなくなったり問題を起こしたりすると仕事を辞めざるを得ない状況が出てくる。そうなった時に、収入の多い時期と変わらない支出の生活を変えられず貯蓄がほぼ無くなってしまうケースもあるだろう。

 

それから、「ニューハーフ」として働いている人においては、ホルモン治療代やSRS(性別適合手術)代を稼ぐために働く人もいるけども、ホルモン治療によるホルモンバランスの崩れから精神の不安定さがあったり、仕事柄の多量飲酒、店での振る舞いとプライベートでの振る舞いとの大きな差などで困ることもあるだろう。

 

また、ゲイでよく聞くのは、ゲイがバレてしまった、もしくはカミングアウトした後で、家族と離縁状態になり地元では暮らせなくなり、住居含む身寄りのあてが無いまま都会に出て仕事をするケースもあるだろう。

 

ーーーーー

性風俗業界や水商売は、学歴や知識や経験がなくとも、基本的には見た目の良さやキャラクターなどを考慮した上で「やる気があれば雇ってくれる」世界。

でも実際は、言語非言語問わず高度なコミュニケーションによる顧客満足と、関連のある他店との関係性維持といったことをクリアして行く必要があって、かなりの能力が求められるのよね。ほんと尊敬する。


特にセクシュアルマイノリティにおいては、ここなら自分のセクシュアリティで、「ありのまま」の自分で働ける場所でもあり、同じ「仲間」と出会い、語らえる人と出会える場所でもあるわね。


ただ、各種精神発達系問題や、具体的な診断名はつかないものの何らかの生きづらさを抱えていると、それを解決に導く具体的な知識と知恵が乏しいことが多く、身寄りがないケースで見捨てられたりして社会的つながりが遮断されてしまうと、最悪の場合、孤独死も視野に入ってしまうこともあるわ。

 

学歴というか「勉強できて知識があること」ではなく、経験年数やコミュニケーション能力の高さや売り上げ実績がモノを言う経験主義の実力主義の厳しい世界、それが水商売と性風俗の世界の現状。

 

そうなると、何か問題が発生した場合に、自己経験に基づく行動しかできず、解決に導く専門知識や専門家にアクセスする方法がわからなかったり、そもそも専門知識や専門家にアクセスしようという発想が出なかったりするわ。

 

どうにかして「それぞれの生きやすさ」を追求できるような環境を作れないかどうか、とてもあたしゃ悩んでいるところだわ。

 

それには、この記事のタイトルにもある通り、

業界人に対する心理的支援における専門的介入が必要になるなと思うわけです。

 

たまたま今回は精神系発達系トピックが中心だけど、それ以外にも法制度的支援や経済的支援なども必要なケースが当然のことながらあるだろう。

 

それから、ママ・チーママ・先輩店子となると、一般企業でいえば社長・部長・先輩社員といった「管理職」に該当するだろう。

そうなると、従業員や後輩を育てるための管理職としてのスキル、すなわち、水商売や性風俗における管理職スキル研修教育も必要になってくるのではなかろうかと思うの。余裕もないし大変だけども。

 

そんな中であたしができることはなんだろうかと考えた時に、今まで飲みながらとかLINEしながらやってる事だけども、

ゆっくりまったり雑談しながら相談を受けたりすることかな。

 

言い方を変えれば、

三者的視点からの心理相談と心理学的スキルの技術提供

 

ですわ。それくらいしか今のあたしにはできぬ。(心理系資格持ってないからぶっちゃけあんまり大げさな事は出来ないけど。)

 

ーーーーー

あたし自身も様々な問題を抱えているけども、それでもお互いにコミュニケーションを取って、問題や生きづらさをゆるめていきながら、もっと良い働き方・生き方を模索出来たらいいな。

 

あたしも早くなんらかの仕事をして収入を得て、また独り立ちした生活を送れるようにしなきゃな。

 

無理せず、少しずつ。

教科書に載ったセクシュアリティの表現の話 ー「からだの性」「こころの性」「好きになる性」は「正しい」??ー

  今年、2019年の春から、中学校の道徳の教科書に「性的マイノリティ」、いわゆる「セクシュアルマイノリティ」「LGBT」の話題が記載されるようになったとのこと。

 


義務教育の中できちんとした形で掲載されるようになったこと自体は、セクシュアルマイノリティの可視化という観点からすごく重要で大きなことであるのは間違いなかろう。


しかし、当事者として気になるのは、その記載内容である。

 
学校図書の教科書にはこのような図と定義が掲載されている。

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朝日新聞デジタル 2018/3/27 22:54より

 
また、日本教科書の教科書では、「心と体の性が一致しない『性同一性障害』を取り上げる」とのことだ。(OUT JAPANの記事より

 
これは実は、社会的に存在するセクシュアルマイノリティでは大問題なのである。

 
ーー

学校図書の教科書の説明への批判

  • 「T」の定義が「トランスジェンダー」ではなく「性同一性障害」の定義になっている
  • そもそも「こころの性」の定義がはっきりとなされていない(「こころ」に性別があるかどうかの議論も含めて)
  • 現実のLGBの人間のジェンダー表現が反映できない

 


日本教科書の教科書の内容への批判

「心と体の性が一致しない『性同一性障害』」

→「性同一性障害」は2018年版ICD-11(WHO(世界保健機関)の疾病リスト最新版)では「性同一性障害」は精神疾患から外れ、「性別不合(Gender Incongruence)」という名称になり、現状に合ってない。

 


ーー

結論から言えば、

「わかりやすさ」重視のために、排除されてしまっているセクシュアルマイノリティ当事者がいる事を知ってほしい。「正しくない」説明を教科書に載せないでほしい。

ということだ。

ーー

セクシュアリティ3要素病理モデルへの批判点

LGBT」の初心者向け書籍やwebメディアでよく見かける、

「からだの性」「こころの性」「好きになる性」

で表現される、セクシュアリティ3要素モデルの具体的な批判点は以下の通りである。

 

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セクシュアリティ3要素病理モデルの概略

 

  • 「社会的」に生きているトランスジェンダーが表現できない

    →自己内の心身モデルと、自己・社会モデルの違い

  • 「好きになる性」でトランスジェンダー好きを選択しづらい(後述)
  • 「こころの性」でノンバイナリやクィア当事者が選択しづらい
  • 男女が1軸になっている

    →心理学においてBem(1981)は外的認知対象の自己内性別化を「男性的ー非男性的」「女性的ー非女性的」の2軸で説明している。

  • 「からだの性」つまり生物学的性別がトップに来ることにより、生物学的性別が要素として前提で重要なものとして取り扱われてしまう恐れがある

    ジョグジャカルタ宣言においては、生物学的性別よりも社会的ジェンダーによる性の自己決定権が重要視されている。

  • セクシュアリティが「先天的」なものとして取り扱われてしまう

    →先天的・後天的かは議論中であり、後天的にセクシュアリティが変化した例も大いにある。

 

 

他のセクシュアリティの表現例も見てみよう。

東京レインボープライド(TRP)のサイトに記載されているのは以下の図である。

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この図の一番の問題点は「男女二元論」である。

生物学的男女二元論ピラミッドモデルとでも呼んでおこう。

 

この図では、男女二元論以外のジェンダー性的指向が説明できないのである。

事実、当該サイトでは、Xジェンダーアセクシュアルノンセクシュアル・パンセクシュアルが文章の説明での記載で終わっているのだ。「『LGBT』以外にも」という文言で。(「LGBT」はセクシュアルマイノリティの「総称」じゃないんかいね?)

 

ーー
そこで、こんなセクシュアリティ表現法を紹介しましょう。「アイデンティティスペクトラム」である。まだこれの方が少し多様な表現ができる。

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アイデンティティスペクトラム

note.mu

詳しい説明は上記サイトを参照。

この図だと、社会的なジェンダーと、アセクシュアルノンセクシュアルを表現できる点が画期的と言えよう。


ーー

○性の要素

ところで、性を規定する要素は様々。一例を挙げると(牧村朝子「百合のリアル」を参考に)

 

【性別系】

  • 出生時に割り当てられた性別
  • 生物学的性別
  • 戸籍上の性別
  • 性自認(自分の性別に対する自己認識)
  • 性役割ジェンダーロール。生活上の性別)
  • ジェンダー表現(服装・言葉遣い・行動など)

 
性的指向系】

  • 恋愛対象(精神的に密接に繋がりたい対象)
  • 性的対象(肉体的に密接に繋がりたい対象)
  • 関係性(モノアモリー・ポリアモリー

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たくさんある「性の要素」

 

ーー

○「好きになる性」の曖昧さ

3要素モデルで見かける「好きになる性」は概念が曖昧だ。

恋愛対象と性的対象のどちらを示しているのか不明だ。

さらには、指向する「相手」にも当然「こころの性」「からだの性」「好きになる性」があるのだが、このモデルでは表現しきれないのだ。

 

原則的には「トランス女性(MtFと表記する場合も)」「トランス男性(FtMと表記する場合も)」と言うように、「性別」は「性自認」や「社会的ジェンダー」によるものとされるのが現在の枠組みであるが、現実には、性行為をしたい性別と恋愛をしたい性別が違う人も存在し、一概に「好きになる性別」が「性自認」や「社会的ジェンダー」であるとは言い切れないのだ。


逆に言えば、それだけセクシュアリティは「多様」なのに、現在の表現方法では全然「多様に表現できない」のである。

 

ーー

○新しいモデルの提唱

そこで、できるだけ多様な表現ができるような、新しいセクシュアリティ表現モデルを提唱することにする。

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名称は決めていない

 

【ポイント】

 

すごく項目が多いですね...

しかし、ある程度項目を増やさないと、「多様なあり方」は表現できない。

逆に言えば、自己と他者と社会的生き方では、これほど多くの性の要素を考慮して生きたり性的指向を認識したりしているのだ。

 

このセクシュアリティ表現モデルはもちろん、全項目が任意項目です。当てはまる項目があれば書けば良き。

 

もちろん、この図は筆者・もじゃが勝手に作成したものであり、誰の監修も受けていない。

誹謗中傷はお断りだが、前向きな意見や提案は受け付けている。

このブログのコメントでもトラックバックでも、Facebookのコメントでも、Twitterのリプでも、なんでも。

 

建設的で前向きな議論を通して新しいことを作っていきたいです!!

 

 

ドラマ「家売るオンナの逆襲」LGBT特集の批評・感想と現代のLGBT問題

こんにちは、もじゃです。

 

さて、昨日1/23(水)に、日テレ系列で22時から放映された、ドラマ「家売るオンナの逆襲」で、全編でLGBTがテーマになっていたので、レビューをしたく思います。

 

【全編通すと】

LGBTの幕の内弁当(?)と言いましょうか、1時間にLGBTのいろいろが詰めっつめにされていました(笑)

登場したのは「ゲイ」「レズビアン」「トランス女性」です。

 

【内容を見ていこう】

最初のトピックはこちら

 

[シングルゲイ、相手がいれば結婚したいが 〜憲法24条解釈問題〜]

爽やか系筋トレ好きのシングルなゲイの話。よくいそうですね。下井草徒歩6分1800万の物件の想定で進みます。安いですね(笑)

そんなゲイからある話題がでました。

憲法24条で同性婚が想定されてないですよねー

そう、現日本国憲法下では、戸籍を入れる形での同性結婚はできないです。

当該箇所には「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し」と書かれています。

 

ただ、憲法24条の「両性」に関して、

  • 違憲論:「両性」は男女の1ペアである
  • 合憲論:「(性別関係なく、)当事者のカップルが、自分の意思で結婚できる」

と解釈が別れています。

逆に、旧民法では、「婚姻には戸主(父や母など)の同意を必要とする」と書かれていて、本人たちの合意だけでは結婚できなかったそうです。

www.huffingtonpost.jp

 

女性側の両親に会って「お父さん!◯◯さんを僕にください!!」はこの名残でしょうかね。

 

同性カップルにおいては、現在「パートナーシップ制度」が10市区を超えて実施されておりますが、法的拘束力がありません。

 

同性カップルの婚姻届不受理を受け、2月から同性婚一斉訴訟が始まります。

www.huffingtonpost.jp

 

つぎ。

13人に1人はLGBT

 LGBTのパーセンテージです。この数値はおそらく電通ダイバーシティ・ラボが実施した「LGBT調査2018」の結果である「8.9%」を使っていると思われます。どういう手法と手順、分析方法で調査したのかはよくわかりませんが。。。

 

つぎ 

[顧客のセクシュアリティ 営業所内でアウティング

営業所に戻ってきた社員が「あのお客様はゲイでしたー!」と

 

いやいや、普通に顧客情報をお客様の許可なくアウティングしてんじゃないよ!

...そんなこんなでオフィスでLGBTが話題に。

 

つぎ

LGBTの定義 〜Tの説明〜]

屋代役の仲村トオルが、会社で受けたというLGBT研修のテキストを広げながら新宿営業所の社員に説明をする。

 

トランスジェンダーの定義でよくマスコミに出るのが

心と体の性が一致しない人

(2017-11-08 朝日新聞 夕刊 2社会)

 

はい、違いますね。これは性別違和や「性同一性障害」、GID病理モデルでのGIDの定義ですね。主体化されたアイデンティティでの(狭義の)トランスジェンダーの定義は以下の通りです。

 

トランスジェンダーは生まれたときに割り当てられた性別とは違う性別で生活している人々」

(番組内での三軒家のセリフ)

 

これですよ欲しかったのは!!やっとようやく出てきたって感じです(待ってました!!)

言ってしまえば、(「ジョグジャカルタ原則」的にはアウトだが)「性同一性障害」は、日本では現行の特例法下におけるオペと戸籍性別変更のために「作り出された」障害であり、トランスジェンダーは自己内完結の話ではなく、ライフスタイルとしての社会的あり方の問題なので、こういう違いが出てきます。

 

それから、性的指向性自認概念の違いから、トランスジェンダーゲイの説明と、クエスチョニングの説明もされていました。「LGBTQ+」的な説明ですね。

 

これが「トランスジェンダー 」の「正しい知識」ですよみなさん。素晴らしい。

 

そして、書いてる途中にこんなニュースが飛び込んできました。

「性別変更に手術『義務』は合憲...最高裁が初判断」

www.yomiuri.co.jp

これはまた議論になりそうなニュースです。やれやれ。 

 

つぎ

レズビアンカップル]

レズビアンカップルに関しては2つのトピックがあります。

  • オーナーによる不動産物件の売却拒否
  • 「堂々としたい」vs「こっそり生きたい」

まずは

 

同性カップルにおける入居拒否問題]

レズビアンカップルが内見の際、風呂場でキスをしていたらオーナーに見つかってしまい、「カップルは男女ペアと神様が決めている。これでは(亡くなったオーナーの妻が)成仏しないよ」と言われ、購入を拒否されるシーン。

 

これは実際に存在するケースです。

あたしの友達のゲイ夫夫が過去に賃貸マンションを探していた時に、「男同士はちょっと。。。」とオーナーに言われ、入居できなかったそうです。

オーナーによるところが大きいですが、そういう物件が今だにあります。

 

今回のドラマのケースでは、カップルではなく「いとこ同士で住む」という建前でいたのがバレたのも要因かもしれませんが、「女性のいとこ同士」と「女性同士カップル」の違いは何なのでしょうか?ましてや、その関係性は契約前なので書面を交わしていないはず。

 

 あたしがオーナーだったら、他の居住者同様、ゴミ問題や騒音問題などを気をつけてもらえば全然貸すんだけどね。それに、その分家賃収入入るじゃん?←

あぁ不労所得欲しい。。。

 

 

つぎ

[世間に対して「堂々としたい」vs「こっそりしていたい」]

レズビアンカップル双方の意見の違いです。ドラマ「おっさんずラブ」でも、異性愛者同士ではありましたが、同様の描写がありましたね。

 

昨今のtwitterでの同性婚や差別関連の法制定に関してもこれが問題になっていますね。

 

この「堂々」vs「こっそり」に関しては、過去にこのブログでも書いた気がするので、他の記事も見ていただきたいと思います。 

 

つぎ

松田翔太×千葉雄大のBL]

これはいつ見てもキュンキュンしますね!

千葉雄大「あんっ♥」

もう萌えですよ!

。。。一部では、ゲイの話を「BL」に回収されてはいかがなものかという意見もありますが、この番組はLGBTのノンフィクションドキュメンタリーではないので、そういった要素も含めて「視聴者を喜ばせる『ドラマ』」なのだと思います。

 

 

つぎ

[既婚者トランス女性の葛藤]

昼間は男性スーツを着た会社員だけど、自宅では女性服を着るトランス女性の話。妻からは「子どもの前では『お父さん』でいて」と言われ、自身の性別違和と社会的な性の生き方と、家庭のあり方に葛藤をしていました。

 三軒家は営業所に戻り、男性社員の3サイズを聞いたのですが、その結果、、、

 

なんと、男性社員が女装をして、家族3人の内見の立会いをしたのでした!

見ていて不思議な光景でした。

 

なぜ不動産の内見なのに、CAやセーラー服、ナース服の女装をして接客しているのか、と。

せっかくなら千葉雄大も女装すれば良かったのに。。 

 

意図として、シスジェンダー男性が女装をすることで、トランスジェンダー女性の気持ちを理解しようとしたのだろうと推測したのですが、これは2017年9月の「レインボーフェスタ和歌山」における『トランスジェンダー体験ブース』を思い出します。

 この問題点は以下のtwitterを追うとわかるかと思います。

twitter.com

 

 

つぎ

[現代のジェンダーにまつわる変化の紹介]

上記の家族のシーンで、現代の変化が紹介されていました。

  • 履歴書などの性別欄の「男」「女」「答えたくない」
  • 学生服が自由に選択可能

などです。

 

個人的に、性別欄の「答えたくない」に触れるのであれば、Xジェンダーやノンバイナリ、ジェンダーフルイドなどの、性別二元論外ジェンダーの名称を出しても良かったのかなと、当事者として思うわけです。

尺的な問題と、LGBTの内容詰め込みすぎ理解できない問題があるかもしれないですが、その例を出すなら、、、って感じです。

 

[三軒家の結論]

三軒家はこういうセリフを残しました。

「理解し合えると思うことこそ傲慢である」

これは賛否両論別れるところではないでしょうか。

 

ざっくり言えば、トップダウン方式かボトムアップ方式、それと、そもそも社会に理解してもらう必要はない層。

 

トップダウン方式は、法律や制度面を整えることにより意識が浸透して差別が減る方式。

ボトムアップ方式は、教育や啓発などで人々の理解を深めて差別を減らしてから法律や制度を整えていく方式。

それから、特に「男性中心社会」に擬態できるゲイに多いのは、そもそもLGBは内々で友人たちとこっそりやっていればそれで充分満足でしょという意見。

 

twitterでは、「対話をしようよ」というのを見かけますが、対話しようと言ってる張本人が、トラブルや混乱になるから、異なる意見をリプライしてきた人は軒並みブロックしていく宣言をした人もいますね。どなたとは言いませんが。

 

トランス女性を性犯罪者扱いにして燃えてる案件もありますね。

 

対話といいながら、無茶苦茶な論理で自分の意見を押し通したい人が多いこと多いこと。

 

【結論】

他人の気持ちさえも自分の気持ちさえも理解できない。ましてやこの世の森羅万象のことを理解できるかと言ったら絶対にそうではない。不可能。

だからこそ、

 

「認知して尊重する」

 

ことが大切です。理解はできなくとも、存在を否定しないで肯定することくらいできるはずです。

制度に関しても、使いたくても使えない人が使えるようになればいいじゃないですか。

悪用?現制度でも悪用されているのだから、批判するなら同性婚だけでなく、現制度にも批判をする必要があるのでは?と思うのです。

 

倫理観ですね。(当たり障りのない終わり方)

 

以上です!!休憩します!!

不謹慎とは?

こんにちは、もじゃです。

 

今回はほぼメモです。

 

月曜朝、大阪で震度6弱地震が発生し、高槻市付近を中心に大きな被害が出ているようです。

今日さっき、ワールドカップの初戦かな、日本vsコロンビア戦で日本が勝ったようです。

 

そこで疑問。

2011年の東日本大震災後は、TV含め、楽しいものは「不謹慎」であり、「自粛」を求める風潮がありました。

今回、大阪でこれほどの被害が出ているのにもかかわらず、サッカーは「不謹慎だ」「自粛しろ」という声がほとんど見られないのです。

 

なんでなんでー?と思ってしまいました。

 

3.11で「自粛ムードはいけない」と学んだのか、それともなんか別の理由があるのか?

不思議な現象です( ˘ω˘ )

アプリがノンケにバレる! LGBTの存在を知られることの功罪

こんにちは、もじゃです。なんだかとても疲れております_(:3」∠)_ コウペンちゃんに癒されたいです_(:3」∠)_

 

さて今回は、昨今ネットで話題となっている、「ゲイバイ男性向け某出会い系アプリがノンケにバレる!」


っていうテーマで話を進めましょう。

 

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ゲイバイ男性向け出会い系アプリの「○mon」がノンケの間で流行ってて、ゲイバレ怖いわ胸くそ悪いノンケめー、って言ってるのを昨日今日くらいでよく見かける。

 

【きっかけ】
朝の某情報番組でスマートフォンに関するインタビューにて、ゲイバイ男性のスマートフォン画面に当該アプリが映り込む。
それを見たtwitterゲイバイ民で「あwあのアプリが映ってるw」と盛り上がる。
それが某巨大掲示板にも拡散され、ノンケにも盛り上がりを見せたという経緯。


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(参考ツイート)https://twitter.com/sorakichi_kun/status/1003635014171365376?s=09

「(当該アプリ)が本気でノンケの間で流行してて笑えないな。しかも他のアプリも芋づる式で名前が出てる

俺はゲイを隠してないからいいんだけども。
隠してる人にとっては地獄だろ

「近所のホモを探せるアプリ」「学内・職場のホモをあぶり出せるアプリ」としてSNS掲示板で広がっていってるのはヤバイよ…」

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【これを知ったtwitter民の反応】(うろ覚え)
「やばいやばい会社のノンケとか家の近所のノンケにバレてアウティングされちゃう怖い」
「プロフから猥語消してノンケ対策しなきゃ」
「顔画像消さないと怖い」
などなど。

 

このアプリは位置情報サービスを提供しており、ログイン中のアプリ利用者端末までの距離がわかってしまうのだ。

これは、特にクローゼット当事者においては人生における大問題に発展するであろう。由々しき事態である。

だが、1つ問題がある。この問題を盛り立てたきっかけは、何を言おうと、ゲイバイ当事者twitter民による拡散の影響なのだ。

 

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話は変わるが、私はゲイ界隈のいろいろで踏んだり蹴ったりな最近。

 

ご存知の方はご存知だが、先日土曜の某セクシュアルマイノリティサークルの某偽計業務妨害と誹謗中傷卒業生問題、月曜に当該アプリを使っていたら、足跡踏んだだけで3人からブロックされたこと、直後に全く知らない人から私の容姿に関して誹謗中傷メッセージが来たこと。

 

もう散々である゚(゚´ω`゚)゚。ピー

 

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要するに、言いたいことはこれだ。

シスヘテロ(性的マジョリティ、いわゆる「ノンケ」のこと)に対して理解を深めていってる現時代なのにそういうシスヘテロがいて胸くそ悪いと思うと同様に

個人情報を晒して当事者がほかの当事者をアウティングさせたり、誹謗中傷や名誉毀損をしたりする胸くそ悪いゲイバイ男性も問題なのでは?

 

わたしはむしろ後者の方が問題だと思ってる。

 

5月のTRPなどプライドイベントや、学校や企業への理解啓発が盛り上がってきて、LGBTがマジョリティにも広まったことは非常に喜ばしい。
だがこれは逆説的に、情報を得た性的マジョリティが「LGBT世界・LGBT文化」にアクセスできるようになるってことでもある。
LGBT可視化で、例えば新宿二丁目のシスヘテロ客増加やゲイバイ男性出会い系アプリのシスヘテロ男性の流入といったことは、むしろ必然的な流れ。良くも悪くも。

 

LGBT」と言って、マイノリティの権利を主張することはつまりそういうこと。

 

LGBT」独自の、昔から培ってきた、エロを中心としたアンダーグラウンドな文化を荒らされかねないリスクがあるということを、「LGBT」という言葉を使う人は気をつけなければならない。


場合によっては、都政や国によって、新宿二丁目アンダーグラウンドな世界にも何らかの厳しい規制がかかってしまうかもしれない。

 

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あ、エロで思い出した。
「ノンケにバレちゃうから変態なのを隠さなきゃ」っていう、ゲイのtwitter発言をよく見かける。

「ゲイ」「バイ」というマイノリティ性を考えると確かにそうだ。セクシュアルマイノリティは差別と笑いの対象として消費されてきた歴史があるからだ。

 

でも、「変態性」という点で考えれば、、、

 

学校や会社での飲み会で、異性愛前提の下ネタ発言が頻発することや、
さらには、Tinderをはじめとする、位置情報サービス付きシスヘテロ向け出会い系アプリが存在するし、twitterでも性的指向問わず、自撮りの半裸画像を載せたりするエロアカウントがあるくらいなので、言うてしまえば

 

シスヘテロには変態な人もそうじゃない人もいる。ゲイバイ男性にも変態な人もそうじゃない人もいる。

 

変態性を考えた時に、ゲイバイだけノンケに変態性を隠す「キレイ売り」をするのは何故?と思ってしまう。
(ちなみに私は、ノンケの前だろうとなんだろうと、飲みの席では、異性愛的下ネタも、非異性愛的下ネタも含め、皆でエロい話をしてワイワイするのが好きな人です。)

変態な人は性的指向限らず変態。ただそれだけなのに。
もしかしたら、「強い」からこういうことが言えてしまうのかもしれないけど。。。

 

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何度も言う。

マイノリティVSシスヘテロの問題は可視化してきたし、対処しようとする人が増えてきたけど、


セクシュアルマイノリティ内部同士の問題って、なかなか可視化されないままだし、それを問題と捉える人が少ないから、対処しようとする人が少なすぎる。

 

だから、こうしてセクシュアルマイノリティ内部へと、声をあげざるを得ないのよ。悲しいけど。

 

以上、わかりやすいタイプの「おかま」のたわ言でした。